生殺与奪の権利を、渡すな。
鬼滅の刃の冨岡義勇の言葉だ。フィクションの中の台詞だが、30代を生きる自分には刺さった。
妻が勤めていたクリニックから「子供がいても時短はだめ」と言われ、転職を余儀なくされた。誰かの一言で、家族の生活が揺らぐ。医師という職業についていても、そのリスクからは逃れられない。
誰かに自分の人生を握られている限り、本当の意味での安全はない。
これが、私がFIREを目指す根本的な理由だ。
1. 前提——医師という職業の収入構造と時間の非対称性
救急医は、同僚とほぼ同じ量のタスクをこなす。夜勤も、当直も、平等に降ってくる。給与は確かに高い。しかしその対価として、時間と体力を差し出している。
30歳頃、大学院で医療データ解析を学び始めた。そこで気づいたのは「世界の広さ」だった。医療データの解析に全振りするほどの適性も熱量も自分にはなかったが、お金に縛られていなければ、もっといろんなことにチャレンジできるのに、という感覚は確かに芽生えた。
救急の給与は良い。だからこそ、逃れにくい。これが罠だと気づいたのも、その頃だ。
加えて、医療の保険点数は年々絞られている。医師だから安泰、という時代はもう終わりつつある。だとすれば、早く「自分で独り立ちできる状態」を作ることが、最も合理的なリスクヘッジになる。
2. なぜFIREを目指すか——完全リタイアではなく「選択できる状態」
完全リタイアは望んでいない。
目指しているのはサイドFIRE——週4で産業医と医師バイトをこなし、手取り年収1,200万円程度をキープしながら、残りの週3を自由に使う状態だ。
- 子供と過ごす
- このサイトを運営する
- 本を読む
- 興味の赴くままに動く
資産を切り崩すのではなく、自分が働いた範囲内で生活する。ただし、その「働く」の中身と量を、自分でコントロールできる状態にする。これが目標だ。
夜勤は、もう卒業する。
3. 現在の資産形成の設計
現在の構成はシンプルだ。
金融資産
- 米国株式への投資(個別株+ETF)
- NISA(積立・成長枠)
個別株はグロース・資源・金融を中心に。ETFは長期の土台として。
不動産
- 1年前に分譲マンションを購入(居住用・含み益あり)
- 木造マンション1棟取得による節税も検討中
法人(今年中に設立予定) 産業医資格を取得後、法人を立ち上げる。目的は主に3つ:
- 社会保険の最適化
- 節税(生活費の一部を法人経費へ)
- 妻を役員として雇い、資産を渡す仕組みの構築
自分への給与は最低限に抑え、法人に資産を集積させていく設計だ。
4. 夜勤×投資の現実
当直中、ちょくちょく相場を確認している。休めばいいのに、と自分でも思う。
失敗談を2つ正直に書く。
ひとつ目は、SPAC上場株をホールドし続けて上場廃止になったこと。損切りが苦手という自分の性質が、そのまま損失になった。
ふたつ目は、昨年末からNVDA・Google・AVGO・AMD・PLTRをショートして大失敗したこと。「AIバブルだから下がる」という見立てを鵜呑みにしたが、NVDAは業績がピカピカで、株高に業績が追いついてきてしまった。相場の大きな流れに逆らうことの難しさを、お金を払って学んだ。
今は複数の情報源を判断の参考にしつつ、最終的には自分で決める、というスタンスに落ち着いている。他人の分析は「仮説の材料」であって、「答え」ではない。
5. 目標とタイムライン——2年後のサイドFIREへ
2028年を目標にサイドFIREする。
ロードマップはこうだ:
- 2026年:産業医資格取得、法人設立
- 2027年:産業医業務を軌道に乗せる
- 2028年:現職を退職、訪問診療バイト+前職場での日勤バイトに移行
移行期の年収設計:産業医+訪問診療+日勤バイトで手取り1,200万円。夜勤なし。これが達成できれば、実質的にサイドFIREは完成する。
変化を最小限にする移行設計も意識している。新しい職場が訪問診療1箇所だけなら、自分にとっても家族にとっても環境変化が小さい。スムーズに次のフェーズへ移れる。
おわりに
医師だから安泰、ではない。 給与が高いから大丈夫、でもない。
誰かに自分の時間と選択肢を握られている限り、それは安全ではない。
FIREは「働かなくなること」ではなく、「誰のために、何のために働くかを、自分で決められる状態」 になることだと思っている。
2年後、そこに辿り着く。
このブログでは、サイドFIREに向けた資産形成・法人設立・投資判断の過程をリアルタイムで記録していく予定です。